寒気がしてだるい、熱っぽくて頭がガンガンする……
風邪やインフルエンザなどでは、発熱と頭痛が同時に起こることが多く、日常生活に大きな影響を与えます。
「解熱鎮痛薬」は1つの成分で熱と痛みの両方に作用するため、基本的に症状ごとに薬を分ける必要はありません。
ただし、効き目の強さ・胃へのやさしさ・眠気の出やすさなどは製品ごとに異なるため、体調や使うタイミングに合った選択が大切です。
この記事で紹介するのは、眠くなりにくく日中にも使いやすい市販薬です。
一方、夜しっかり休みたいときは、眠くなるタイプの薬を選ぶのもひとつの手。
使用シーンに合わせた選び方の参考にしてみてください。
💊 タイレノールA
第2類医薬品。タイレノールAは、主に脳(中枢神経)に作用して痛みや熱をやわらげる薬です。胃の粘膜を守るプロスタグランジン(PG)にほとんど影響を与えないため、空腹時でも使いやすいやさしい設計が特徴です。
ただし、かぜによる悪寒・発熱時はなるべく空腹をさけて服用するのが望ましいです。
主要成分:アセトアミノフェン 300mg(解熱鎮痛成分:脳に作用して熱・痛みをやわらげる)
用法・用量:成人(15歳以上)は1回1錠、1日最大3回まで。4時間以上あけて服用。
※15歳未満は服用できません。
💡 ワンポイント:眠くなりにくく、胃への負担が少ないため、高齢者や体調のすぐれないときにも使いやすい設計です
⚠ 注意ポイント:重度の肝臓疾患がある方は、服用前に医師に相談を。
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💊 ロキソニンS
第1類医薬品。ロキソニンSは、すぐれた速効性としっかりした効き目が特徴の解熱鎮痛薬です。有効成分のロキソプロフェンは、痛みや熱のもとになるプロスタグランジンの生成を抑えて作用します。
また、胃で刺激を起こしにくい“プロドラッグ製剤”で、眠くなる成分は含まれていないため、仕事中や日中の使用にも適しています。
主要成分:ロキソプロフェンナトリウム水和物(解熱鎮痛成分:炎症をおさえ熱・痛みに効く)
用法・用量:成人(15歳以上)は1回1錠、1日2回まで。必要に応じて3回目も服用可能。
服用間隔は4時間以上。なるべく空腹時は避けてください。
💡 ワンポイント:痛みや発熱をすばやく抑えたいときに適しています。眠気が出ないのも使いやすさのポイント。
⚠ 注意ポイント:胃潰瘍や腎臓の持病がある方は、服用前に医師に相談を。
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💊 ロキソニンSクイック
第1類医薬品。ロキソニンSクイックは、速く溶けて早く効くのが特徴の解熱鎮痛薬です。速崩壊タイプの錠剤で、有効成分ロキソプロフェンが素早く痛みや熱をおさえます。さらに、胃粘膜保護成分(メタケイ酸アルミン酸マグネシウム)を配合しており、胃へのやさしさにも配慮された処方です。
主要成分:ロキソプロフェンナトリウム水和物(解熱鎮痛成分:炎症をおさえ熱・痛みに効く)
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(胃粘膜を保護する成分)
用法・用量:成人(15歳以上)は1回1錠、1日2回まで。必要に応じて3回目も服用可能。
服用間隔は4時間以上。なるべく空腹時は避けてください。
💡 ワンポイント:効き目の早さと胃へのやさしさを両立した設計。眠くなる成分も含まず、使いやすいバランス型の鎮痛薬です。
⚠ 注意ポイント:胃潰瘍や腎臓の持病がある方は、服用前に医師に相談を。
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💊 バファリンプレミアムDX
指定第2類医薬品。バファリンプレミアムDXは、2種類の鎮痛成分を1:1で配合した、バランスの良い速効タイプの解熱鎮痛薬です。
イブプロフェンが炎症のもとに、アセトアミノフェンが脳の痛みの伝達に働き、ダブルの作用で素早く効きます。
また、独自の「クイックアタック錠」で速く溶ける設計に加え、胃粘膜保護成分を配合しており、眠くなる成分も無配合。飲みやすい小粒サイズも嬉しいポイントです。
主要成分:
イブプロフェン 160mg(解熱鎮痛成分:炎症や痛み・熱をおさえる)
アセトアミノフェン 160mg(解熱鎮痛成分:脳に作用して熱・痛みをおさえる)
乾燥水酸化アルミニウムゲル(胃粘膜を保護する成分)
無水カフェイン(鎮痛補助:痛み止めの効果を助ける)
用法・用量:成人(15歳以上)は1回2錠、1日2回まで。必要に応じて3回目の服用も可能。
服用間隔は4時間以上。なるべく空腹時は避けてください。
💡 ワンポイント:「効き目の早さ」「眠くならない」「胃にやさしい」を重視したい方に。頭痛や熱など幅広く対応できる設計です。
⚠ 注意ポイント:胃潰瘍や腎臓の持病がある方は、服用前に医師に相談を。
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🧠 成分知識:NSAIDsってなに?
NSAIDs(エヌセイズ)とは、「非ステロイド性抗炎症薬」のことを指します。
炎症・痛み・熱の原因となる物質(プロスタグランジン=PG)を抑えることで、効果を発揮します。
代表的な成分には、ロキソプロフェン・イブプロフェンなどがあり、市販薬にも多く使われています。
一方で、胃の粘膜を保護するPGも一緒に抑えてしまうため、空腹時の服用や連用で胃に負担がかかることがあります。
そのため、胃を守る成分が配合された製品や、アセトアミノフェンのような別系統の成分を選ぶ工夫が大切です。
🧠 豆知識:無水カフェインって眠くなる?逆にスッキリする?
無水カフェインは、コーヒーなどにも含まれる中枢神経刺激成分で、基本的には「眠気を抑える・脳をスッキリさせる」方向に働きます。
一方で、鎮痛薬の中には眠くなる鎮静成分(例:アリルイソプロピルアセチル尿素)が含まれているものもあり、このような成分が「眠気」の原因になることがあります。
- ✅ 無水カフェイン:眠気を抑える(スッキリ成分)
- ⚠️ 鎮静成分:眠くなる可能性あり
今回紹介した4商品(タイレノールA/ロキソニンS/ロキソニンSクイック/バファリンプレミアムDX)は、いずれも眠くなる成分を含んでいないため、日中や仕事中にも使いやすい設計になっています。
ただし、たとえば「バファリンプレミアムDX」には無水カフェインが含まれているため、人によっては「頭がさえる感じが気になる」こともあります。
反対に、夜ゆっくり眠りたいときには、鎮静成分入りのタイプを選ぶという選択もあります。
🔍 選び方のコツ
- ✔ 胃が弱い方や高齢者 → アセトアミノフェン単独の『タイレノールA』を選ぶ方も多いです
- ✔ 空腹時の服用が避けられない → 胃にやさしい「ロキソニンSクイック」や「タイレノールA」
- ✔ 痛みも熱もとにかくつらい → 速効性に優れた「ロキソニンS」や「バファリンプレミアムDX」
- ✔ 眠くなると困る/就寝前に使いたい → 「タイレノールA」「ロキソニンSクイック」